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センサー

Sensor behaviors

センサーの手続きを定型化したクラスを用意しています。

センサー取り扱いのための手続き

センサーの取り扱い前にWire.begin()を実施しておいてください。スリープ復帰後は、Wireの再初期化は自動で行われるため特別な記述は必要ありません(注:ユーザコード上から明示的に Wire.end() を呼び出した場合は、再初期化を wakeup() に記述します)

void setup() {
  auto&& brd = the_twelite.board.use<PAL_AMB>();
  ..
  Wire.begin();
	brd.sns_SHTC3.begin();
	brd.sns_LTR308ALS.begin();
}

読み出し開始後の手続きはセンサーの種類ごとに違いますが例えば<PAL_AMB>のセンサーは2つとも時間経過を管理します。時間経過をセンサーオブジェクトに伝えるには process_ev() メソッドを用います。

void loop() {
	auto&& brd = the_twelite.board.use<PAL_AMB>();

	// mostly process every ms.
	if (TickTimer.available()) {
		//  wait until sensor capture finish
		if (!brd.sns_LTR308ALS.available()) {
			brd.sns_LTR308ALS.process_ev(E_EVENT_TICK_TIMER);
		}

		if (!brd.sns_SHTC3.available()) {
			brd.sns_SHTC3.process_ev(E_EVENT_TICK_TIMER);
		}
..

上記の例では1msおきのTickTimerを起点にして時間経過を伝えています。E_EVENT_TICK_TIMERはセンサーオブジェクトに1msの経過を伝えるものです。

スリープ復帰などで十分な時間が経過したときは替わりにE_EVENT_START_UPを渡します。センサーオブジェクトは速やかに読み出し可能として処理されます。

いずれの処理も現実世界の時間の経過と一致することを保証しているわけではありません。実際の経過時間が不足している場合は、センサーがエラーを返したり、期待しない値を返すことになります。

共通メソッド

setup()

void setup(uint32_t arg1 = 0, uint32_t arg2 = 0) 

センサーの初期化を行います。

begin(), end()

void begin(uint32_t arg1 = 0, uint32_t arg2 = 0)
void end()

センサーの取得を開始, 終了する。

process_ev()

void process_ev(uint32_t arg1, uint32_t arg2 = 0)

待ち時間処理のセンサーの場合はarg1にE_EVENT_TICK_TIMERまたはE_EVENT_START_UPを与え時間の経過を知らせます。このメソッド呼出し後に、必要な時間が経過していればavailableになり、センサー値の読み出しが可能になります。

available()

bool available()

センサーが読み出し条件を満足したときにtrueを返します。

probe()

bool probe()

(対応しているセンサーのみ)センサーが接続されているときにtrueを返します。

probe()直後の初回の通信が失敗することがある。

SHTC3 - 温湿度センサー

I2Cバスを利用した温湿度センサーです。

ボードビヘイビア <PAL_AMB> を読み込んだ時のみ使用可能です。begin()以外の共通メソッドの手続きはボードビヘイビア中で実行されています。

処理の流れ

  1. Wire.begin(): バスの初期化

  2. .begin(): センサーの動作開始

  3. 時間待ち5ms

  4. .get_luminance(): 値の読み出し

動作に必要な手続き

Wireバス

begin()メソッド呼び出し前にWire.begin()によりWireが動作状態にしておきます。

スリープ復帰時の手続き

スリープ直前もWireバスが動作状態にしておきます(スリープ復帰後自動でWireを回復します)。

メソッド

get_temp(), get_temp_cent()

double get_temp()
int16_t get_temp_cent()

温度を読み出す。get_temp()は℃で、get_temp_cent()は℃の100倍の値を整数値で返します。

エラー時は-32760~-32768の値が返ります。

get_humid(), get_humid_per_dmil()

double get_humid()
int16_t get_humid_per_dmil()

湿度を読み出す。get_humid()は%で、get_humid_per_dmil()は%の100倍の値を整数値で返します。

エラー時は-32760~-32768の値が返ります。

共通メソッド

setup()

void setup() 

センサー用のメモリ領域の確保や初期化を行います。

begin(), end()

void begin()
void end()

センサーの取得を開始します。センサーの値を読み出すまで約5ms待ち時間が必要です。

end()には対応しません。

process_ev()

void process_ev(uint32_t arg1, uint32_t arg2 = 0)

待ち時間処理のセンサーの場合はarg1にE_EVENT_TICK_TIMERまたはE_EVENT_START_UPを与え時間の経過を知らせます。このメソッド呼出し後に、必要な時間が経過していればavailableになり、センサー値の読み出しが可能になります。

available()

bool available()

センサーが読み出し条件を満足したときにtrueを返します。

probe()

bool probe()

センサーが接続されているときにtrueを返します。

LTR-308ALS - 照度センサー

I2Cバスを利用した照度センサーです。

ボードビヘイビア <PAL_AMB> を読み込んだ時のみ使用可能です。begin()以外の共通メソッドの手続きはボードビヘイビア中で実行されています。

処理の流れ

  1. Wire.begin(): バスの初期化

  2. .begin(): センサーの動作開始

  3. 時間待ち50ms

  4. .get_luminance(): 値の読み出し

動作に必要な手続き

Wireバス

.begin()メソッド呼び出し前にWire.begin()によりWireが動作状態にしておきます。

スリープ復帰時の手続き

スリープ直前もWireバスが動作状態にしておきます(スリープ復帰後自動でWireを回復します)。

メソッド

get_luminance()

uint32_t get_luminance()

照度[lx]を整数値で返します。

エラーの時は-1が返ります。

共通メソッド

setup()

void setup() 

センサー用のメモリ領域の確保や初期化を行います。

begin(), end()

void begin()
void end()

センサーの取得を開始します。センサーの値を読み出すまで約50ms待ち時間が必要です。

end()には対応しません。

process_ev()

void process_ev(uint32_t arg1, uint32_t arg2 = 0)

待ち時間処理のセンサーの場合はarg1にE_EVENT_TICK_TIMERまたはE_EVENT_START_UPを与え時間の経過を知らせます。このメソッド呼出し後に、必要な時間が経過していればavailableになり、センサー値の読み出しが可能になります。

available()

bool available()

センサーが読み出し条件を満足したときにtrueを返します。

probe()

bool probe()

センサーが接続されているときにtrueを返します。

MC3630 - 加速度センサー

SPIバスを用いた加速度センサーです。

ボードビヘイビア <PAL_MOT> を読み込んだ時のみ使用可能です。begin(), available()以外の共通メソッドの手続きはボードビヘイビア中で実行されています。

動作の流れ

  1. .begin(): センサーの動作開始

  2. PIN_SNS_INT割り込み または available(): FIFOキューが規定数に達する

  3. .get_que(): FIFOキューからのデータを取得する

動作に必要な手続き

SPI バス

特にありません。

スリープ手続き

PIN_SNS_INT割り込みによる起床を行うため、スリープ前に以下の設定行います。

pinMode(PAL_MOT::PIN_SNS_INT, WAKE_FALLING);

スリープ復帰時の手続き

.wakeup()メソッドの呼び出しが必要です。この処理は<PAL_MOT>ボードビヘイビア中で実行されています。

半導体内部のFIFOキューが一杯になっても読み出さなかった場合は、データ取得は終了し、新たな値は格納されません。

データ構造

各サンプルはaxis_xyzt構造体を要素とするキューsmplqueに格納されます。メンバーx,y,zはそれぞれX,Y,Z軸に対応します。

struct axis_xyzt {
  int16_t x;
  int16_t y;
  int16_t z;
  uint16_t t;
};

各軸の値は1Gを1000とした値として格納されます。tはサンプルの番号で0から順番にサンプルごとに割り振られます。

メソッド

read()

uint8_t read()

半導体のFIFOキューからデータを読み出します。読みだしたバイト数が戻りますが.get_que()で参照するキューのサイズに格納されるデータ数を読み出すようにしてください。

スリープ復帰後に<PAL_MOT>ではread()が行われます。

get_que()

smplque<axis_xyzt>& get_que()

加速度のサンプルを取得します。キューはaxis_xyztを要素としたsmplqueです。availableになってから速やかにキューを空にする必要があります。

共通メソッド

setup()

void setup() 

このセンサーではsetup()を使用しません。

begin(), end()

void begin(uint32_t conf)
void end()

confで指定した設定で初期化します。

conf[0:15](bit0-15) : サンプリングモード、conf[16:23] (bit16-23): 加速度のレンジ、conf[24:31] (bit24-31) : 割り込み発生までのサンプル数を設定します。

conf[0:15] サンプルモード

内容

MODE_LP_1HZ_UNOFFICIAL

1Hz Low Power (非公式設定)

MODE_LP_2HZ_UNOFFICIAL

2Hz Low Power (非公式設定)

MODE_LP_7HZ_UNOFFICIAL

7Hz Low Power (非公式設定)

MODE_LP_14HZ

14Hz Low Power (デフォルト)

MODE_LP_28HZ

28Hz Low Power

MODE_LP_54HZ

54Hz Low Power

MODE_LP_105HZ

105Hz Low Power

MODE_LP_210HZ

210Hz Low Power

MODE_LP_400HZ

400Hz Low Power

MODE_ULP_25HZ

25Hz Ultra Low Power

MODE_ULP_50HZ

50Hz Ultra Low Power

MODE_ULP_100HZ

100Hz Ultra Low Power

MODE_ULP_190HZ

190Hz Ultra Low Power

MODE_ULP_380HZ

380Hz Ultra Low Power

非公式設定はMC3630のデータシートに記述がないもので設定時の動作は未定義となります。お客様のほうでの動作確認の上利用下さい。非公式設定にかかわる問題やご質問について弊社サポートでは対応いたしかねます。

conf[16:23] 加速度レンジ

内容

RANGE_PLUS_MINUS_8G

±8G (デフォルト)

RANGE_PLUS_MINUS_4G

±4G

RANGE_PLUS_MINUS_2G

±2G

RANGE_PLUS_MINUS_1G

±1G

process_ev()

void process_ev(uint32_t arg1, uint32_t arg2 = 0)

このセンサーではprocess_ev()を使用しません。

available()

bool available()

センサーにデータが読み出され内部のキューにデータが保存されているとtrueを戻します。

probe()

bool probe()

このセンサーではprobe()は使用できません。

wakeup()

void wakeup()

スリープ復帰後のSPIバスの再初期化を行い、加速度データを読み出します。