ADC (mwx::periph_analogue.hpp)
Analogueは、ADCの実行と値の取得を行います。一度に複数のチャネルを連続取得でき、またこれをタイマーなどの周期に合わせて逐次実行可能です。
ADCの初期化を行います。setup()では、半導体内部のレギュレータの始動、周期実行するためのタイマーデバイスの指定、指定チャネルすべてのADCが終了したときに呼び出されるコールバック関数の指定します。
1番目のパラメータにはADCを行いたいポートを指定します。ポートの指定はピンの定義で述べたポート番号に対応するビットをセットしたビットマップになります。例えば PIN_ANALOGUE::A2
とPIN_ANALOGUE::VCC
の2つのピンの値を得たい場合は (1 <<PIN_ANALOGUE::A1 | 1<<PIN_ANALOGUE::VCC )
を指定します。pack_bits
を用いpack_bits(PIN_ANALOGUE::A1,PIN_ANALOGUE::VCC)
のように記述することもできます。
begin()
の呼び出し後、速やかに最初のADC処理が開始され、その終了割り込から次のピンの処理を開始します。すべての処理が終われば(指定されている場合)コールバック関数が呼び出されます。次のタイマー割り込みが発生まで待ってから新たなADC処理を開始します。
2番目のパラメータは、ACを開始するまでのタイマー割り込みの回数を指定します。例えばTickTimer
は1msごとに呼び出されますが、パラメータに16
を指定すれば 16msごとの処理になります。
デフォルトのADCピン(PIN_ANALOGUE::A1
,PIN_ANALOGUE::A2
)を指定してADC処理を開始します。end()
では中断したADC処理を再開します。
ADC処理を終了し、半導体内部のレギュレータを停止します。
ADCの値が取得後にtrue
になります。本関数により確認した後は次のADC完了まではfalse
です。
ADC値を読み出します。パラメータには読み出したいADCピンを指定します。read()
はmVに変換した読み値、read_raw()
はADCの値(0..1023)を戻します。
Vccはread()
で読み出すことを推奨します。read_raw()
の値からmVに変換するには、特別な変換式を適用する必要があるためです。
ADC完了(available)後、次のADC処理が実行するタイミング付近まで遅れて値を読み出すと、次のADC値が戻される場合があります。ADCの処理は割り込みハンドラで実施されているためloop()
の処理中であっても値が更新されるためです。
ADCの割り込みハンドラはsetup()
の呼び出し時にperiph_analogue::ADC_handler()
に設定されます。
ADCがbegin()
により周期実行状態であれば、スリープ復帰後もADC処理を再開します。
定数
種別
uint8_t PIN_ANALOGUE::A1 = 0
ADC1ピン
uint8_t PIN_ANALOGUE::A2 = 1
ADC2ピン
uint8_t PIN_ANALOGUE::A3 = 2
uint8_t PIN_ANALOGUE::D0 = 2
ADC3ピン (DIO0)
uint8_t PIN_ANALOGUE::A4 = 3
uint8_t PIN_ANALOGUE::D1 = 3
ADC4ピン (DIO1)
uint8_t PIN_ANALOGUE::VCC = 4
Vcc 電源電圧
パラメータ
解説
bWaitInit
true
を指定すると、半導体内部のレギュレータの初期化を待つ。
kick_ev
周期実行に指定するタイマーデバイスを指定する。指定可能なデバイスは、以下の5種類で、初回以外は割り込みハンドラ内でADが開始される。
E_AHI_DEVICE_TICK_TIMER (TickTimer)
E_AHI_DEVICE_TIMER0 .. 4 (Timer0 .. 4)
fp_on_finish
指定されたポートすべてのADCが終了後に、割り込みハンドラ内から呼び出されるコールバック関数。ADC計測値をFIFOキューなどに別途格納したい場合に利用する。