PAL_MOT-fifo
動作センサーパル MOTION SENSE PAL を用い、センサー値の取得を行います。
のアクトには以下が含まれます。
無線パケットの送受信
インタラクティブモードによる設定 - <STG_STD>
ステートマシンによる状態遷移制御 - <SM_SIMPLE>
アクトの機能
動作センサーパル MOTION SENSE PAL を用い、加速度センサーの加速度を連続的に計測し、無線送信します。
コイン電池で動作させるための、スリープ機能を利用します。
アクトの使い方
必要なTWELITE
アクトの解説
インクルード
動作センサーパルのボードビヘイビア<PAL_MOT>をインクルードします。
setup()
最初にボードビヘイビア<PAL_MOT>を登録します。ボードビヘイビアの初期化時にセンサーやDIOの初期化が行われます。最初に行うのは、ボードのDIP SWなどの状態を確認してから、ネットワークの設定などを行うといった処理が一般的だからです。
ここでは、ボード上の4ビットDIP SWのうち3ビットを読み出して子機のIDとして設定しています。0の場合は、ID無しの子機(0xFE)とします。
LEDの設定を行います。ここでは 10ms おきに ON/OFF の点滅の設定をします(スリープを行い起床時間が短いアプリケーションでは、起床中は点灯するという設定とほぼ同じ意味合いになります)。
加速度センサーの初期化
加速度センサーの計測を開始します。加速度センサーの設定(SnsMC3630::Settings)には計測周波数と測定レンジを指定します。ここでは14HZの計測(SnsMC3630::MODE_LP_14HZ)で、±4Gのレンジ(SnsMC3630::RANGE_PLUS_MINUS_4G)で計測します。
開始後は加速度センサーの計測が秒14回行われ、その値はセンサー内部のFIFOキューに保存されます。センサーに28回分の計測が終わった時点で通知されます。
begin()
begin()関数はsetup()関数を終了し(そのあとTWENETの初期化が行われる)一番最初のloop()の直前で呼ばれます。
setup()終了後にsleepNow()を呼び出し初回スリープを実行します。
sleepNow()
スリープに入るまえに加速度センサーのDIOピンの割り込み設定をします。FIFOキューが一定数まで到達したときに発生する割り込みです。pinMode()を用います。2番めのパラメータはPIN_MODE::WAKE_FALLINGを指定しています。これはHIGHからLOWへピンの状態が変化したときに起床する設定です。
3行目でthe_twelite.sleep()でスリープを実行します。パラメータの60000は、TWELITE PAL ボードのウォッチドッグをリセットするために必要な起床設定です。リセットしないと60秒経過後にハードリセットがかかります。
wakeup()
加速度センサーのFIFO割り込みにより、スリープから復帰し起床すると wakeup() が呼び出されます。そのあとloop() が都度呼び出されます。wakeup()の前に、UARTなどの各ペリフェラルやボード上のデバイスのウェイクアップ処理(ウォッチドッグタイマーのリセットなど)が行われます。例えばLEDの点灯制御を再始動します。
ここではloop()で使用する変数の初期化を行っています。
loop()
ここでは、加速度センサー内のFIFOキューに格納された加速度情報を取り出し、これをもとにパケット送信を行います。パケット送信完了後に再びスリープを実行します。
b_transmit変数によってloop()内の振る舞いを制御しています。送信要求が成功した後、この値を1にセットしパケット送信完了待ちを行います。
最初にセンサーがavailableかどうかを確認します。割り込み起床後であるため、availableでないのは通常ではなく、そのままスリープします。
無線送信パケットでは使用しないのですが、取り出した加速度の情報を確認してみます。
加速度センサーの計測結果はbrd.sns_MC3630.get_que()で得られるFIFOキューに格納されます。
加速度センサーの計測結果を格納している構造体 axis_xyzt は x, y, z の三軸の情報に加え、続き番号 t が格納されています。
格納されているサンプル数はキューのサイズ(brd.sns_MC3630.get_que().size())を読み出すことで確認できます。通常は28サンプルですが処理の遅延等によりもう少し進む場合もあります。最初のサンプルはfront()で取得することができます。その続き番号はfront().tになります。
ここでは、サンプルをキューから取り出す前にサンプルの平均をとってみます。キューの各要素にはfor文(for (auto&& v: brd.sns_MC3630.get_que()) { ... }) でアクセスできます。for文内の v.x, v.y, v.z が各要素になります。ここでは各要素の合計を計算しています。for文終了後は要素数で割ることで平均を計算しています。
次にパケットを生成して送信要求を行いますが、データ量が大きいため2回に分けて送信します。そのため送信処理がfor文で2回行われます。
送信するパケットに含めるサンプル数とサンプル最初の続き番号をパケットのペイロードの先頭部分に格納します。
最後に加速度データを格納します。先程は平均値の計算のためにキューの各要素を参照のみしましたが、ここではキューから1サンプルずつ読み出してパケットのペイロードに格納します。
加速度センサーからのデータキューの先頭を読み出すのは.front()を用います。読みだした後.pop()を用いて先頭キューを開放します。
加速度センサーから取得されるデータは1Gを1000としたミリGの単位です。レンジを±4Gとしているため、12bitの範囲に入るように2で割って格納します。データ数を節約するため最初の4バイトにX,Y軸とZ軸の上位8bitを格納し、次の1バイトにZ軸の下位4bitの合計5バイトを生成します。
2回分の送信待ちを行うため送信IDはtxid[]配列に格納します。
その後、loop() 中 b_transmit が trueになっている場合は、完了チェックを行い、完了すれば sleepNow() によりスリープします。
送信完了に確認は the_twelite.tx_status.is_complete() で行っています。txid[]は送信時に戻り値として戻されたID値です。
最終更新